しきたんの自由なブログ

思うことや感じることを、けっこう自由に書いてるブログ。

役立たずたちの聖域(ノバラ座ANNEX レポ)

今年7/25-30に開催された、小説家・エッセイストの嶽本野ばら先生の"ノバラ座"@京都がたいへん好評だったということで、アンコール的に急遽東京で9/17・9/18に追加開催されました。京都に引き続きお邪魔してきた記録をここに綴りたいと思います。個人的な話も混ざりますがどうか悪しからず。。

前回のレポ記事:世界は終わらない(ノバラ座レポ) - しきたんの自由なブログ

 

めくるめくノバラーワールドへ

このブログには重ねて書いていますが、私は若かりし頃に嶽本野ばら先生の文章にたいへん救われながら大人になり、そんな読書体験があったことなど忘却して日々をすごし、つい半年位前にご縁あって思い出した(思い出された)ような人間です。

彼の本を読むと15年くらいタイムスリップしたような気持ちにもなり、あるいは今の私だから感じられるようなことを感じたりします。懐かしくも新鮮です。

つまり私は(ずっとファンでいる読者から比べたら)ある意味不真面目な読者です。野ばら先生が2回も逮捕されていたことも知らなければ、経済的困窮を極めた時期があったことも知らなかった、音楽活動に取り組まれていたことなども知らなかったのです。

夏の京都のノバラ座イベントにはたいへんコアなファンが集まっていました。そりゃ、自然とそうなります。最新刊が発売されたわけでもなく(解説が書かれた本が出版された記念ではあるのですが)、出版社の主催でもないので情報も世に出回っていません。しかもイベント内容が強烈で、トークショー&演劇の練習(台本をみんなで音読!)です。普通に考えてイチ読者にはハードルが高すぎる。神社には誰でも参拝しに行けても、神楽の練習会があるよと言われて行けるのはよっぽどの神楽好き。 

ですが、新幹線を予約して京都まで行ってしまった。単身乗り込んでしまったが最後、私はその場で出会ったコアなファンの方に背中を優しく押されてしまい、いつのまにか野ばらファンの集うコミュニティ的な場所にエントリーしてしまっていました。そこには、年齢や地域もバラバラだけど、気持ちを共有できる個性豊かな人たちがいました。野ばらファン歴の浅いというかこんな軽薄な私なんかが平然といてもいいものだろうかと思いつつ、みなさんとの心の交流は楽しく、今も交流させていただいています。

今回のノバラ座は、野ばら先生にお会いしたい気持ちと同じくらい、他のファンのみなさんにお会いしたいという気持ちがあったことを告白しておきます。

 

ノバラ座 ANNEX(神保町)

今回はトークショーや演劇の練習などはなく、2日間展示&サイン会(希望により握手、写真撮影など)というプログラムでした。私は都合により最終日ラスト数時間しか滞在できなかったのですが、ずっと滞在したファンの方によると2日間ひっきりなしにファンが訪れ展示品を見て、サインに並ぶ列は途絶えることなく続いていたらしい。

 

会場は今年春にまきむぅさんと野ばら先生のお茶会トークイベントが開かれたbookhousecafeさん。野ばら先生ご本人に会場についてお尋ねしたところ、会場自体に趣があるところ、と思って心当たりのある場所へ連絡し、こちらが使用できるのは12月あるいは9月、急だったが9月に決定されたとのこと。まさにアンコール開催!という感じで、ファンの中ではこのANNEXイベントが決まった際は大変な盛り上がりでした。

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ファンのメンバーによるわかりやすくかわいい看板。自発的に作成したとのこと!
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 1階が書店&カフェ、2階がイベントスペース(&重厚な蔵書がチラホラ見えるお部屋)。入口からして、すでに気品ある雰囲気に満ちています。

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会場はメイン会場、サブ会場の2つがあり、階段を上がるとまずサブ会場のコキヤージュ(貝殻)インスタレーションに目を奪われます。 

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野ばら先生曰く、これは即興で思いついたとのこと。宇宙あるいは夜空にかがやく一面の星のよう。思わずしゃがみ込み、一つ一つの形を愛でずにはいられません。

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コキヤージュのほかに、ウニ殻、水晶、黒水晶、黄鉄鉱(パイライト)、アメジスト、コパル(若い琥珀)などの鉱物や、スペシメン(標本。ここでは野に咲く草花の押し花)、裏メニューとしてどんぐりもありました。

 

展示の主役は、ボタニカルスペシメン。

 

これらは見るだけではなく購入することができ、購入者はもれなく野ばら先生にお会計、ラッピング加工をしていただけます。このときサインしてほしい本を持参していけばサインしてくれる、希望により握手、写真撮影、ハグ等OK(キスはNG。笑)。写真撮影は別のファンが撮影する仕組み。購入&サイン等の希望者は列になって並び、その他、展示を見る人、ファン同士で話す人、ファンの持ち込んだかつての野ばらちゃんファンクラブ的会報誌を読みふける人、自由に過ごして良い空間。サイン待ちの待ち時間はけっこう長いので並ぶ人用の椅子が用意されていました。

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ANNEXも、やっぱり、野ばら先生の「世界の終わりという名の雑貨店」を思い出さないわけにはいきません。お話の中では、ひょんな流れで雑貨店の店主となった主人公のお店の元に通う女子高生が登場し、彼女はお店に滞在したのち一枚50円の紙石鹸を1枚だけ買って帰るという行動を日々繰り返します。そこは雑貨店なのだから営業時間中ずっといて良いし、彼女は商品を買っているのでなおさらお客さんという立場を正式に獲得できます。

どんなに変な格好でも挙動不審でも誰にも責められない、私はここにいて良いんだと感じられる場所との出会いは幸運で、生きる中でとても貴重な体験だというのは大げさな表現ではけしてないと私は思います。ノバラ座に紙石鹸はありませんが、水晶さざれなどが100円で販売されています。

 

以下野ばら先生ブログから引用。

「だから、整理券なぞ手に入れずとも

会期中なら、何時でも逢える。

直に触れ合える時間は短くとも

会期中は、同じ空間にずっといられる。

そこにいることが

愉しいサイン会というものが

やれないのだろうかと

ノバラ座のようなことは、

かなり前から夢想しておったのです。

 

僕は特別な力なぞ

持ち合わせてはいないのですが、

あるとすれば、

聖域(ゾーン)を作り出す

力ではないかと思います。

 

京都のノバラ座に来て下さった方には

解って頂けると思いますが

その場所は、

僕と君だけの——僕等だけの——

聖域に、なる。

 

例え、何もない野天、

平凡な児童公園であったとしても

僕はそこを、

聖域に変えることが出来ます。

 

砂場の上に、

そこいらで抜いてきた

雑草を並べてね、

Tiffanyシスティーナ礼拝堂

劣らぬ特別な場所にしてみせますよ。

 

そもそも、本というものはそういう

性質のものなのだと、僕は思う。

 

それを読んでいる間、

君は僕という聖域の中にいる。

または、君の中に

僕という聖域が作られる。

 

君が本を読むのを止めれば

その聖域は消え去り、

また読み始めれば——

10年後であろうとも——聖域は現れる。」

ノバラ座@東京9・17&18|嶽本野ばらのブログ

 

 

「コンプレックスに思う必要はないよ」

購入&サインの列にて私の前の方が終了し、ついに私の番に。 

「これはまた大量だね(笑)」

とコメントされ、計算機で計算ののち6300円であるのを確認した野ばらちゃんは小さく吹き出し、「考え直すなら今よ」と、言ってくれました。「やめるならこの辺のウニとか、価格の比較的高いものを、、」と購入を減らすアイテムのアドバイスまで。しかし、とはいえ気持ちとしてはむしろ支払いたいくらいだし… と思いながらも、よくよく考えると既に京都で購入したものも入っており。ひとつひとつ大事にするためにも、助言どおりありがたく海胆殻や貝殻の一部を外しました。野ばらちゃんの心遣いが染み入ります。

(水晶さざれやマッチ箱の1つ100円のみ購入した方もいらっしゃるだろうし、私よりももっともっと高額購入者も確認されています!金額の大小問わず楽しめるイベントなのでした)

「どう加工する?(どの品物を一緒に入れる?)」
との問いに、この鉱物たちは一緒で、貝はこっちで、など依頼したものの、私のセンスではちょっとバランスが悪く…
「僕がやってみて良い?」
もちろんですとお任せしたところ、たしかにとてもかわいい組み合わせに!
「なぜなら、僕はずっとこれやってるからね!(笑)」
 
果てしない数のラッピングを手がけ、可愛くなる貝や鉱物の組み合わせを知り尽くしている。さすが可愛いのカリスマ!の瞬間でした。
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それから、サインのお願いのために持参した文庫本『破産』を差し出し、サインいただく際の私の名前を紙で差し出しました。(ここで免許証を出すというイカしたパフォーマンスをされる方もいらっしゃるのですが、私は本名ではないのでメモ帳で。)
 
なんと以前イベントに参加していた私のことを覚えていてくれ、梱包やサインをしながら、とても長くお話をしてくれました。こんなに長く話していたのは私だけだったと別のファンの方から聞き及び、たいへん恐れいるもとても嬉しかったです。しかし!なぜ私はこのときボイスレコーダをまわさなかったのか。イベントでもっとも後悔したことでした。とても嬉しかったので、その興奮で幾らか内容が頭に入ってなかったかもしれず。。アホだ。。心に刻まれた(幻聴も入っているかもしれない!)主な内容を記載します。
 

「しきさんがどういう風に作品を書きたいのか、世に出たいかは分からないけどね、僕は旧世代の人間で、しきさんは新しい世代、電子媒体で書く身体感覚を持っているなあと思う。まあそれなりによく書けていると思います」

 

それは、、ブログのレポート記事を読んでくださったということなんですか!?

 

「うん。僕の目に入ってくるものは読んでるよ。」

 

(つまり、読者からのお手紙を全て読まれるのと同じように、リプで飛ばさせてもらった投稿やそこに貼ったURLとかは読んでくださっていること、だと思う)

 

「紙で製本されたものは偉くて電子はアングラ、純文学がすごくてその他は二流、みたいな考えがあるように思うけど、それはやめていいと思う。コンプレックスに感じることはなくて、一度そういう気持ちは忘れていい。自分の書けるものを書くといいと思うよ。」

 

そのコンプレックスはわりと図星でした。前回の神保町イベントに引き続き、現代の文豪からの率直なお言葉が胸に突き刺さったのでした。私のことを見ていただいて、ありがとうございます。そのまま肯定して頂いた感じで…えーと。つまり、聖域でした。。!!もう今全然書く時間を自分で作れなくて、うわーん(泣)って感じなんですが、私の書きたいもの、私に書けるものを書いていきます!!うわーん!!(これは嬉しさの叫び。)

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私も笑わずに撮影されてみました。(噂によると野ばらちゃんスマイルは7,000円かかる。笑)

 

私の後もサインはしばらく続き、終了の時刻を過ぎても列が終わるまで続き、最後は残ったメンバーで展示品など全て梱包したり清掃したり。前回のイベントで予告された、ファン=スタッフ説が実証されたのでした。あまりよい働きが出来たとは思えないけど、みんなでワイワイしながらも結構本気で協力しあって作業するのって、自然に距離が縮まって楽しいものです♪♪

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ファンのみなさんに頂いたお菓子やお手製のブローチ、髪留め、原稿など。気持ちの伝わってくる大事な宝物です。私もささやかなお菓子を持って行きました。

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つまらない大人な私は、お菓子を持っていこうとする私に向かって「そんなのもらっても困るだけ」「喜ばれないと残念だし」など理由をつけて止めようとするきましたが、それでもあげちゃうのも楽しいのです。お菓子が嫌いな人には捨てられてもいい。気持ちは伝わる。人に配慮しすぎてやりたいことができないくらいなら、仮に嫌がられてもやりたいようにやるのもいい。

 

ノバラ派という文芸運動  

嶽本野ばらやその周りってなんか宗教っぽい」と言われることがあるらしい。(それでもいいとご本人はおっしゃっている)ここからは私の主観が入りますが、いわゆる宗教とは、教義ないようがどうであろうと共同体(相互扶助)という機能を併せ持っていたはず。宗教という共同体の消滅した社会において新たな共同体を勝手に作っても何も文句を言われることはない、どころか偉業です。宗教という言葉へのアレルギーが日本には色濃くありますが、これはおそらく勧誘活動の激しさ、お布施を求める激しさ、個を認めない全体主義などに起因するもの。”野ばら教”はたんなる共同体で、非常に個性を重視しあう雰囲気があります。平和なものです。

ここにおいて、野ばら先生の作品は聖書です。そこに書いてあることが正しいというわけではなく、書いてあること、価値観に共感できる、共鳴してしまう(共鳴しない部分があってももちろん良い) 不思議な磁石みたいなもの。

みんな孤独でした。今もそうかもしれません。傷つけられながらもしぶとくも生きながらえてきた人たちが、不思議な磁力により集まっているのだと思います。

心根の優しい人、感性が鋭い人、能力が高い人、頭が良い人、よく気のつく人が多くて、同時に社会からはみ出るようにして生きている、アンバランスな美しさをもつ人が多い印象があります。そんなノバラ派の文芸運動、面白くならないわけがありません♪ 

つまり、役に立たない者なぞいないのだ。

 

これまで様々な場面で役に立たなかった、

今も立たない、

お荷物なだけであるを

自覚している人であろうと、

本当に、誰の役に立たない者なぞいない。

これまで

役に立ったことがなければ、

それはその人が悪いのでなく、

使う術を思いつかなかった人が、悪いのだ。

(中略) 

本を作ります。

皆で、本を作ります。

 

次のノバラ座は、

このプロジェクトで動きます。

 

出版社、書店など

プロフェッショナルな役柄の力を借りず、

生誕50年、

2018年1月26日を大凡の目安として

本を製作します。

役立たずな人達ばかりで、やります。 

ノバラ座ANNEXを終えて|嶽本野ばらのブログ

ANNEXの会場は書店の一スペースではあったものの、言ってみればレンタルスペースであり出版社は全く介在していません。作家が”勝手に”場をひらき、飾りたいものを展示し、売りたいものを売り、ファンが集まり、交流し、あるいはその場にただ浸るなど、よろしくやっている。。ちょっと普通じゃないです♡

なんだそれは楽しそうだな!と思われた方は、お気軽に上記の私の裏アカまで絡んでみてくださいね。(裏じゃない。笑)入り口の扉をご案内します。

 

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 † ノバラ座ANNEX アルバム †

                (撮影・nanaさん)

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 現場をカメラで撮影された素敵なお写真をお借りしました。美しい。。nanaさん、ありがとうございます!!!

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絵本の挿絵や不思議の国のアリスが展示に追加され、京都の時よりもぱっと華やかでした。

 

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黄鉄鉱の結晶と、水晶ドーム。鉱物好き的にはたまらないです。

 

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こちら、1つ100円の水晶さざれ。タバコの空き箱は野ばらちゃん愛用short HOPE

 

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 貝の造形ってなんて美しいのでしょうか。鉱物や貝殻にピンときた方は、こちらの書籍がおすすめです。(今回のイベントの主役であり展示品のほとんどはここに収められている作品からモチーフを取り出されています。野ばら先生の解説つき。)

極楽鳥とカタツムリ (河出文庫)

極楽鳥とカタツムリ (河出文庫)

 

 

f:id:studio_pikake:20170926144932j:image にこやかにラッピングしてくださいました。傍にユンケル...!2日通しでたいへんハードな活動をされていました。

(直前に、美容院いけない!って呟かれていましたが、この横顔拝見するかぎり美容院は完了されたのだと思われます。おしゃれ!この方のおしゃれについて語ると多分私はボロがでます。とにかく、おしゃれです)

 

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(奥にリポデーとか、いろいろ。。。)

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いったい何名にサインされたのか、、、本当にお疲れ様です!

 

 

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    エピローグ 

終了してなお濃度を増してゆく聖域

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片付けも全て完了したあと、会場前で帰りの会が開かれました。予告無しのトークショーです。最後の最後に開催されました。辛抱強くここまで読んでいただいた方へ、その書き起こしをお送りします。(サイン時の後悔を生かし、ボイスレコーダー回したのです)

 

野ばら先生(以下、の):通常のサイン会を全部こういうものに切り替えることはないんだけれども(普通のサイン会に来たい人もいるだろうし)使い分けながらやりたいと思っています。僕も実際やっててこっちの方が楽しいんだけどね。

なので、野ばら座はおそらく続くと思います。そんなに頻繁にできるものではないが、まあ、このあいだの京都からこの野ばら座の間はすごい緊急に決まっちゃったから急にやっているようなイメージがあるけど、これは京都公演の続きの東京公演みたいなものだと思ってもらって。またやりましょう。

で、いろいろ形を変えて、もっとちいちゃなフリーマーケットみたいな所に出たりとか、そういうこともできると思います。みんな結局イベントとかに関して素人だと思うけど、ノウハウのない素人が寄っても、また特に指示系列とかなくても、これだけできるんだと、自分たちがこのイベントが好きとか、参加しているって気持ちで参加してくれていたらこういうことは実はいとも簡単にできるんだ、出版社とかイベンターの人とかお店の人とかそういう人たちの力とか都合とか考えず、自分たちでやろうと思えばできるし、それぞれ素人でも、なんの力もなくても、自分の地方でやってほしいと思ったら、それを一人ではできないから、それをファンの人たちとかに、やりたいんだけど、みたいに言ってある程度ガイドラインを組んでもらったら、それを僕に話をくれたらやれる方法とか考えられるので、そうすると全国ツアー夢ではなくなるし(笑)(会場どよめく)

だから、例えば来年の夏とかだったらさ、夏祭りとか...

 

会場:はっぴ!?

 

の:みんながそれぞれヨーヨー釣りやさんとか射的屋さんとか、そういうのを、模擬店みたいな、みんな変なものを、家のクズのようなものを持ち寄ったりしても楽しいと思うし、本当に出版とかマスメディアの人たちは商品が売れないとか言って、すぐそういうことで何もできない!みたいなことをいうのだけど、電子に対してどう対抗するかとか、紙媒体は残さなきゃいけない!とか言いながら自分たちはアマゾンにバンバン打ってもらったりする自己矛盾を抱えていたりする、そんなところに僕たちがなんかしれっと俺たちだけでできちゃうんだよー!っていうのを見せつけてやろうじゃないかという野心があったりして。でも僕はこういう話が長いだけでうまく説明できないので、また京都帰って落ち着いたら、ブログか何かにもっといろんな感じたことはあるので、それをまた書きますので、ちょっと待っててください。・・・では、帰りましょう!

 

会場:えー、やだー!

の:やだじゃない!終わりが始まりなんだから!(笑)

会場:帰りたくないー! 

 

そうこうするうちエレベーターが到着し、野ばらちゃんと数名がエレベーターへ、残りのメンバーは階段でおり、1階入り口の大きなスタンドフラワーの前へ。(前回同様、送り主は謎のまま、ミステリアスであたたかい真紅の薔薇です)

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どんなに嫌でも、今日の終わりは近づいてきます。最後は野ばらちゃん手ずから一人一人に薔薇を数本ずつ渡してくれ、(ファンが)タクシーを呼び、(ファンが)スーツケースにトランクを積み、ついに出発。私は夕方からの参加ながらも体はクタクタで、心は満たされていて、放心状態でした。みんなそれぞれの気持ちを抱え、とにもかくにも、ノバラ座ANNEXは終幕しました。

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その後は、ファンで列になって神保町駅へ。スタイルは違えど全員それぞれにお洒落をし、薔薇を(そのまま。棘もあります)手にしている奇妙な隊列。その日、夜9時頃、都内では貝殻などを首から下げて薔薇を見つめて帰る永遠の乙女たちが多数目撃されたことと思われます。

語弊を恐れず言います。野ばらちゃんもファンの皆さんも、役立たずと言われるだけある、たいへん面白い人たちです。次回のノバラ座は来年1月の野ばらちゃん聖誕祭。今から始まる本の製作プロジェクト!とっても楽しみです。

novalaza

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